使い慣れたMacのパフォーマンスが低下したり、問題が頻発し始めたら、初期化を検討する時期かもしれません。
本記事では、Macを初期化するためのステップバイステップの手順や準備事項、よくある問題への対処法、さらには特定のモデルに応じた初期化の方法までを詳しく解説します。
あなたのMacをリフレッシュし、最高のパフォーマンスを取り戻すために、このガイドを活用して準備を整えましょう。
Macの初期化とは
Macの初期化とは、システムを工場出荷時の状態に戻すプロセスを指します。これにより、全てのアプリケーション、データ、設定が削除され、Macが新しい状態になります。
Macの初期化の意義
Macの初期化には、主に以下の二つの重要な意義があります。
- 個人情報の保護: 初期化を行うことでデータが完全に消去され、情報漏洩のリスクを回避できます。特に、Macを売却や譲渡する際には必須の手続きです
- システムのリフレッシュ: 使用中に溜まった不要なデータや設定を削除し、システムをクリーン化します。これにより、パフォーマンスの向上が期待できます
Macの初期化は、データ保護とシステム改善の両方の目的を持つ重要なプロセスです。
初期化を行う理由と効果
初期化を行うことで得られる主な理由と効果には以下のようなものがあります。
- パフォーマンスの向上: 動作が遅くなったり不安定になった場合、初期化によってシステムのリフレッシュが図られ、動作が軽快になります
- 不具合の解消: ソフトウェアの不具合やエラーを解消し、安定性が向上します
- ストレージの整理: 不要なファイルやアプリケーションを削除し、ストレージの空き容量を増やします
初期化はMacのパフォーマンスを回復させ、不具合を解消する有効な手段です。
初期化前の準備と注意点
Macを初期化する際の準備と注意点について、重要なポイントをお伝えします。データのバックアップやアカウント関連の操作、周辺機器の取り扱いについて詳しく解説します。
バックアップの重要性と方法
データを守るために、初期化前のバックアップが重要です。ここでは、Time Machineと外部ドライブを使用したバックアップ方法についてご紹介します。
Time Machineでのバックアップ
Time Machineは、Macに内蔵されたバックアップ機能で、定期的にデータを保存します。この機能を利用することで、初期化後のデータ復元が可能です。
外部ドライブを接続し、システム環境設定から「Time Machine」を開いてバックアップディスクを選択する
「今すぐバックアップ」を選択し、バックアップが完了するまで待つ
Time Machineでのバックアップは簡単で自動化されており、データを確実に守るためにおすすめです
外部ドライブを利用したバックアップ
外部ドライブに重要なファイルを手動でコピーすることも、安全性を高める有効な方法です。
外部ハードドライブやUSBメモリをMacに接続する
重要なファイルやフォルダを選んで、ドラッグ&ドロップで外部ドライブに移動する
外部ドライブへの手動バックアップは、特に重要なデータの保護に役立ちます
iCloudなどのアカウントのサインアウト
Macを初期化する前に、必ず、iCloudなどのアカウントからサインアウトしてください。これにより、アカウントの同期問題やデータ保護が確保され、新しい所有者に譲渡する際にスムーズな体験を提供できます。
メニューバーから「システム環境設定」を選択し、「Apple ID」をクリックします。
「概要」タブの「サインアウト」をクリックし、アカウントからログアウトします。必要に応じて、データをコピーして保持するオプションを選択してください。
iCloudからのサインアウトを避けると、設定後に問題が発生するかもしれません!
「Macを探す」の無効化
初期化の前に「Macを探す」機能を無効にすることは、とても重要です。この機能が有効なままだと、新しい所有者が最終的にMacを使用できない可能性があります。
「システム環境設定」に移動し、「Apple ID」を選択します。
サイドバーで「iCloud」を選択し、「Macを探す」の右側のチェックを外します。
新しいユーザーのために、Macを探すを忘れずに無効化しましょう!
電源とインターネット接続の確認
Macの初期化を行う際には、必ず電源とインターネット接続を確認してください。これにより、初期化中に突然作業が中断するリスクを排除できます。
電源ケーブルがしっかり接続されているか確認してください。バッテリーの使用は避けてください。
Wi-FiまたはEthernetによってMacがインターネットに接続していることを確認してください。macOS再インストールには安定したインターネット接続が不可欠です。
電源とインターネットは初期化の成功に直結する重要な要素です!
周辺機器の接続解除
初期化プロセスをスムーズに行うために、すべての周辺機器の接続解除は重要です。これにより、プロセス中に不必要なエラーや干渉を避けることができます。
- USBドライブを取り外す
- Bluetoothデバイスの接続を解除
- 外部ディスプレイの接続解除
- プリンターやスキャナーを取り外す
周辺機器の取り外しを行うことで、スムーズな初期化が保証されます!
Mac初期化の手順とコマンド
macOS復旧モードへの移行方法
Macを初期化する際には、まずmacOS復旧モードに移行する必要があります。このモードでは、ディスク消去やmacOSの再インストールを行うことができます。以下のキー操作で復旧モードに入ることができます。
Command (⌘) + Rでの復旧モード起動
Macの電源を入れた直後に、Command (⌘) + Rキーを押し続けることで、最新のmacOSバージョンで復旧モードを起動します。このモードでは、macOSの再インストールやディスクユーティリティを使用することが可能です。
電源を入れた後、すぐにCommand (⌘)+Rを押し続け、Appleロゴが表示されるまで離さない。
Option + Command (⌘) + Rで最新OSインストール
インターネット経由で最新のmacOSをインストールしたい場合は、Option + Command (⌘) + Rキーを押し続けます。これにより、最新の機能を持つmacOSをダウンロードしてインストールできます。
電源を入れた後、Option+Command+Rを押し続け、地球儀アイコンが表示されたらインターネット接続を確認する。
最新OSのインストールで、新しいセキュリティアップデートを利用しましょう。
Shift + Option + Command (⌘) + Rで工場出荷時バージョンインストール
工場出荷時のmacOSバージョンに戻したい場合は、Shift + Option + Command (⌘) + Rキーを使用します。これにより、Macに最初に搭載されていたmacOSまたはそれに近いバージョンがインストールされます。
電源を入れた後、Shift+Option+Command+Rを押し続け、地球儀アイコンが表示されたらネット接続を確認する。
これらの方法を使用することで、macOSの再インストールやディスクユーティリティの使用ができ、効率的にMacを初期化できます。初期化の目的に応じて適切な起動方法を選んでください。
ディスクユーティリティを使用したディスク消去
ディスクユーティリティは、macOSにおいてディスクの消去やフォーマットを行うための強力なツールです。特に、ディスクを新たにセットアップする際や、古いデータを完全に消去して新たに使い始める際には重宝します。
APFSとMac OS拡張(ジャーナリング)の選択
ディスクを消去する際には、フォーマット方法としてAPFSもしくはMac OS拡張(ジャーナリング)を選ぶ必要があります。選択するフォーマットによって、ディスクの性能や互換性が大きく変わります。
- APFSは、SSDに最適化されたファイルシステム
- Mac OS拡張(ジャーナリング)は、HDDに適したフォーマット
APFSはAppleが開発した最新のファイルシステムで、より迅速なファイル操作や高度な暗号化オプションを提供します。一方、Mac OS拡張は古い形式ですが、HDDでの安定した動作が期待されます。
SSDならAPFS、HDDならMac OS拡張がベストな選択です!
macOSの再インストール方法
macOSの再インストールは、通常、システムの不具合や使わなくなったMacを新しいユーザーへ譲渡する際に行われます。ここでは、これを行うためのステップとポイントについて解説いたします。
Macの電源を入れた直後にCommand + Rを押し続け、macOS復旧モードに入ります。
ディスクユーティリティを起動し、消去したいディスクを選びます。SSDの場合はAPFS、HDDの場合はMac OS拡張(ジャーナリング)を選択します。
ディスクを消去した後、macOSユーティリティに戻り、「macOSを再インストール」を選びます。画面の指示に従ってインストールを進めます。
再インストール後の設定プロセス
再インストールが完了した後、Macを初期設定します。以下は、設定プロセスに含まれる主な項目です。
- Apple IDの入力
- Wi-Fiの設定
- データやアプリケーションの復元(必要に応じて)
- プライバシー設定のチェック
macOS再インストール後、迅速な初期設定が必要です。特にデータ復元やWi-Fi設定に注意しましょう。
Mac初期化時のよくある問題と対処法
復旧モードが起動しない場合の対策
Macを初期化しようとしても復旧モードが起動しない場合は、いくつかの対策を試してみると良いでしょう。
- 起動可能なインストーラーを使用してmacOSを再インストールする
- 別のキーボードを使用して問題を解決する
- Bluetoothキーボードの接続を確認する
- SMCをリセットして電源に関連する問題を解決する
- セーフモードで起動して自動修復を試みる
- Time MachineバックアップからMacを復元する
- インターネットリカバリーを使用してmacOSを再インストールする
復旧モードが起動しない場合、上記の対策を試して解決しましょう。
ディスクユーティリティにデバイスが表示されない場合
ディスクユーティリティにデバイスが表示されないという問題も発生しがちです。以下の対策を参考にしてください。
- デバイスの物理的な接続を確認する
- すべてのドライブを表示するオプションを選択する
- 接続を確認してからUSBドライブ等を再接続する
- 起動可能なUSBを作成し、再びディスクユーティリティを実行する
デバイスが表示されない時は、物理コネクションやUSB接続を確認してください。
インターネット接続の問題を解決する
初期化中にインターネット接続がうまくいかない場合があります。こちらの対策を試してみてください。
- Wi-Fi接続を確認する
- ネットワーク設定をリセットする
- 有線接続(Ethernet)を試みる
- ルーターやモデムを再起動する
- 接続先のWi-Fiネットワークを変更する
インターネット接続の問題は回線や設定を見直すことで解決することが多いです。
タイムゾーン設定に関するエラー
タイムゾーン設定のエラーは初期化後に問題を引き起こすことがあります。
- システム環境設定で正しいタイムゾーンを手動で設定する
- インターネット接続を確認してAppleサーバーと同期させる
タイムゾーン設定が正しくないと様々なエラーが発生するので注意しましょう。
- 復旧モードが起動しない原因は?
-
古いmacOSのバージョン、キーボードの故障、接続の問題、リカバリーパーティションの破損などが考えられます。
- ディスクユーティリティの使用時に表示されないデバイスの確認方法は?
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物理的接続やUSB接続を再確認することが重要です。また、起動可能なUSBを作成するのも一つの手です。
特定のMacモデル別初期化手順
Mac miniの初期化手順
Mac miniを初期化する際は、準備として重要なステップがいくつかございます。以下に詳細な手順をまとめました。
まず、Mac miniの初期化に先立ち、データのバックアップを行います。外付けストレージデバイスを利用したり、新しいMacにデータを転送することでデータを保護できます。
次に、Mac miniの電源を入れたら直後にCommand + Rキーを押し続けます。Appleロゴが表示されるまで押し続けることで、macOS復旧モードに入ります。
復旧モードに入った後は、ディスクユーティリティを選択し、Macのディスクを消去します。消去が完了したら、macOSを再インストールします。
Mac miniの初期化には復旧モードを活用し、慎重に手順を進めましょう。
Macの初期化をターミナルコマンドで行う
sudoコマンドによるディスク消去
ターミナルを利用すれば、コマンドラインからMacのディスクを簡単に初期化できます。以下に、具体的なコマンドの使用方法をご紹介します。
sudo diskutil eraseDisk [format] [name] [diskID]
このコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。管理者パスワードを求められた際には、入力して確認してください。
ターミナルを用いる際は、必ず管理者パスワードを使用し、安全に操作を進めましょう。
USBを利用した初期化コマンド
USBを利用することで、より簡単にクリーンインストールが行えます。次にご紹介する手順を参考にして、USBによる初期化を試してみてください。
まず、macOSのインストーラをUSBドライブに作成し、クリーンインストールの準備を進めます。ターミナルを使ってUSBドライブをフォーマットし、インストーラをコピーします。
Macの電源を入れ、Optionキーを押し続けると、USBドライブを選択できます。こちらを選ぶことで、USBからmacOSをインストール可能です。
USBを用いた初期化は、特にデータ移行やバックアップに便利です。
- Macの初期化に困った場合のサポートはありますか?
-
Appleサポートにアクセスすることで、専門的なアドバイスやサポートを受けられます。
- 初期化後のデータは復元できますか?
-
バックアップを取っている場合は、簡単にデータを復元できます。また、タイムマシンを利用すると便利です。
Macの初期化後に必要な設定
初期設定アシスタントの使用方法
Macを初期化し、macOSの再インストールが完了した後、初期設定アシスタントが起動します。このアシスタントでは、言語の選択、Wi-Fiネットワークの設定、Apple IDの入力などを行います。
使用する言語と地域を選択します。
接続するWi-Fiネットワークを選択し、パスワードを入力します。
初期設定アシスタントは、Macのセットアップにおいて重要なプロセスを円滑に進めます!
Apple IDとiCloudの再設定
初期化後はApple IDを再設定し、iCloudへのアクセスを行います。Apple IDは、アプリケーションのダウンロードやデータの同期に不可欠です。
- 設定アシスタントでApple IDを入力
- iCloud設定で各種サービス(例:iCloud Drive)の有効化
- 「Macを探す」の設定を有効にする
Apple IDとiCloudの設定を正しく行うことで、データの保護と便利なサービスの利用が開始できます!
必要なソフトウェアの再インストール
初期化後、必要なソフトウェアを再インストールすることは、快適なMacの利用に欠かせません。
- App Storeから必要なアプリケーションを再ダウンロード
- 日常的に使用するソフトや仕事用のアプリケーションを優先的にインストール
- 最新のソフトウェアバージョンを確認してインストール
ソフトウェアの再インストールを行うことで、Macを元の環境に近づけ、スムーズな使用感を維持できます!
売却や譲渡前に行うべきこと
iTunesの認証解除について
デバイスを売却や譲渡する前には、iTunesの認証解除が必要です。これを行うことで、他のデバイスで安心してApple IDを使用できます。
iTunesを開き、「アカウント」>「認証」>「このコンピュータの認証を解除」を選択します。
Apple ID情報を入力し、「認証を解除」をクリックします。
iTunesの認証解除を行えば、他のデバイスにApple IDをスムーズに移行できます。
iCloudからのサインアウト手順
iCloudからサインアウトすることも重要です。サインアウトを忘れると、次のユーザーにアクセス権を与えてしまう可能性があります。
Appleメニューから「システム設定」または「システム環境設定」を選択します。
「Apple ID」をクリックし、サイドバーで「概要」を選択後、「サインアウト」をクリックします。
サインアウト時には、必要ならiCloudデータをデバイスに残す選択を忘れずに。
デバイスを工場出荷状態にする方法
売却や譲渡をする前には、デバイスを工場出荷状態に復元することが重要です。これは、個人情報やデータを保護するための最善策です。
「すべてのコンテンツと設定を消去」機能を使用します。
macOS復旧から起動し、ディスクユーティリティを使用してMacを消去後、macOSを再インストールし、「command + Q」でシステムを終了します。
Intel搭載モデルの場合は、NVRAMのリセットも検討すると安心です。
まとめ
Macの初期化は、ディスク消去とmacOS再インストールで問題を解決します。
バックアップをしっかり行い、復旧モードで正しい手順を踏んで初期化することが鍵です。
本記事を参考に、すっきりとした動作環境を手に入れて快適なMacライフを再スタートしましょう。